取引先の会社の人から、メール不通で困っているので調べて欲しいと依頼を受けた。
自社サーバから自分達の会社のメールアドレスに送っているメールが、急に届かなくなったとの事。
その自社サーバはウェブサイトを運用するサーバ群の一部として動いており、某データセンターにてハウジングしてある。
その会社のメールアドレスは、某レンタルサーバのサービスを利用しており、ネットワーク的にはそのデータセンターとは別。
[自社サーバ/データセンター] → [レンタルサーバ/別のネットワーク]
最初に自社サーバを覗いてみたが、メールサーバソフトの設定に問題はなかった。
そこで、レンタルサーバ会社に連絡を取り、事情を説明すると、今回の件の理由が分かった。
そのレンタルサーバ会社が利用しているアンチスパムメールシステムが、自社サーバをスパムメールサーバと認識しており、接続を拒否してるという。
その自社サーバは会員向けにメルマガを送信するのに使ってるぐらいで、スパムの送信は行っていない。
接続を許可するように変えてくれと依頼するが、アンチスパムメールシステムは外部のサービスを利用しており、自分らでは直接タッチ出来ないとの事。
[自社サーバ] → 【[レンタルサーバ] – [アンチスパムメールシステム/外部]】
最近はレンタルサーバ業者、ISP業者向けに、こういうアンチスパムメールシステムを提供している会社がたくさんあるようだが、こういうのを使っていると誤検出した場合、非常にやっかいだと思う。
原因を特定するのが大変だし、特定してもすぐには直らない。
スパムメール対策は必要と思うが、メールサーバ間のSMTP通信レベルでメールをブロックしてしまうのはどうだろうと思う。
最近のメールクライアントソフトには、迷惑メールを自動判別してフォルダに振り分ける機能が付いてると思う。
それで十分だと思うし、その方が誤検出時のトラブルが少なくていいと思うのだが。
もっと言うと、このようなISP向けアンチスパムメールシステムって、わざわざ金を出して導入するほどなんだろうか?
- GmailやYahoo!メールにアカウントを作る。
- そのメールアドレスを適当に露出させる。掲示板にメールアドレス付きで何か書き込むとか、怪しげなメルマガに登録するとか。
- すると、そのメールアドレスにスパムメールが届くようになるので、
- そのスパムメールのヘッダを調べて、送信元メールサーバを収集する。
- 後は、そのメールサーバをブラックリストに加えて、自社メールサーバがリストのメールサーバからの接続を拒否するように設定すればよい。
簡単に出来るし、無料だし、誤検出率は低いし、言う事ないと思うのだが。
(ちなみに、スパムメールサーバ扱いされてるそのサーバからのメール、GmailやYahoo!メールには普通に届く。迷惑メールフォルダに振り分けられる事はない。)